チンダル像 ~氷の中に咲く水の花~

東海林 明雄

*チンダル像とは?

 氷点下において氷体が日射や電灯の熱線を内部に吸収することにより融解像が形成される現象。英国の物理学者・登山家・氷河研究者のジョン・チンダルにより1858年に初めて観察・スケッチされたのでこのような名称となっている。アイスフラワーとも呼称されている。光の散乱によるチンダル現象とは異なる。チンダル像は、一般的には単結晶の氷体において、結晶の基底面に形成される薄い平板状の像で、その内部は融解水と水蒸気で満たされている。チンダル像は氷体に照射される熱線の強度により、円盤や六花など、形や大きさも雪の結晶に似た種々のものができる。

(日本雪氷学会編 「新版 雪氷辞典」参照)-編集部-

チンダル像1


円形・六角形・金平糖型・樹枝型が写っています。塘路湖の氷に電球の光を当て作ったものです。池の氷に自然にできたものの、スマホなどでの撮影法については、「日本雪氷学会ホームページ: 日本の雪氷百選 2024(神田健三 34-35p)」を参照して下さい。

チンダル像2


六花のチンダル像。塘路湖の氷に赤外線電球の光を当てて作ったものです。
日光でも良いのですが、電球は、天候によらず強弱の調節が容易です。
 ・成長速度(小):円、六角
 ・成長速度(中):六花
 ・成長速度(大):シダ状
になります。
道東の湖では、円、六角ですが、条件が良ければ、朝から夕方まで直径5~10cmに成長します。